宮古節(にゃーふぶし) 西踊い

公開日 2015年02月18日

宮古節 (三下調子) 〈伝承地:西江上・西江前・川平・西崎〉

〔系統:会所踊い系<宮古。  踊の構成等:4人。 二才踊い衣装。一人ずつ出てきて四角形を作り、二人ずつ向き合って踊る。途中場所変えや四角形を一巡する。最後は4人肩を組んで退場。〕

一 沖縄ぬ主や肝しやにや思ばん

 うまんしゆぶいしやよ

 池間崎はい巡りば沙汰やねぬヨーイ

二 沖縄どぅや三ちゃぬ日にどぅよいるがまいよ

 ばんた主た船や手さじぬなぎヨーイ

三 手さじやあんまりあて長さ庭に植てる

 がじまる木ぬ下葉ぬなぎよ

 イマーヨーマーヌーヨー葉ぬなぎヨーイ

四 うばが家とばんたが家とよ隣いやりば

 今日も見り明日も見りかなしやしゆすぃがヨーイ

五 ばんたが家に赤犬黒犬すぃかなてうかば

 うしなでけなでしちもりかなしやしゆくとぅヨーイ

大意

一 沖縄の役人は心ではそう思っていてもつれないそぶりをするものよ

 池間崎を廻って行ってしまったら何の音さたもない。

二 沖縄渡は、三日ほどかかって入港するのがならわしだが

 わたくしの主人の船は手ぬぐいの長さくらいのあっという間だよ。

三 手ぬぐいの長さは長い

 庭に植えてあるガジュマルの下葉の長さくらいである。

四 貴方の家とわたくしの家と隣近所であったなら

 今日も見えるし明日も逢えるし可愛がってあげるのに。

五 わたくしの家に赤犬や黒犬を飼っておくから

 やさしく手なづけて来てくれ可愛がってあげるから。

宮古節-西踊い

語意

沖縄の主=王府から派遣された役人。 肝しゃにや思ばん=気持ちではそう思っていても。 うまんしゅぶいしゃ=気にしない素振りをする人。 池間崎=地名。宮古島の池間島。 はいみぐりば=迂回したら。 沖縄渡=沖縄海峡。沖縄航海。 いるがまいよ=未詳。 ばんた主=私の主人。 あて長さ=あまりにも長い。 うばが家とばんたが家=貴方の家とわたしの家。 かなしゃしゅる=可愛がってあげる。 すぃかなてぃ=飼って。養って。 うしなでぃ・けーなでぃ=やさしく手なづけて

解説

今は昔、宮古島に旅をした島の若者が土地の者と親しくなり、寝食を共にし歌ったり踊ったり 互いに毛遊びして覚えてきた踊りに、イヤリガサッサイとかけ声を掛けて歌ったものが、宮古根(宮古節)だといわれる。宮古のあやぐの編曲だろうと言われている。

また、伊江御殿や川平殿内に奉公に行っていたときに、奉公人が見ようみまねで習い、会所踊に取入れたとも考えられる。

なお、旧玉城村前川に類似の踊り「アヤグ」(節)がある。

類歌

  • うばが屋とばぬたが屋と隣やれば今日も見れ明日も見れかなし里やう 〔大成840・琉全1319たをかね節〕
  • 手さじの長さやなげ長さ庭に植ゑてるがじまるのひげの長さ 〔大成2878・琉全1324たをかね節〕

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教育委員会
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