組踊 忠臣身替の巻(八重瀬)

公開日 2015年02月21日

八重瀬の按司
堂々たる八重瀬の按司

組踊 忠臣身替の巻2

登場人物

八重瀬の按司   島尻の城主
八重瀬の臣下   国吉の子、渡橋名の比屋
玉村の按司    大里城主
玉村の若按司
玉村の臣下    波平大主、平安名大主、吉田の子、森川の子、崎枝の比屋、屋部下庫里。
里側の妻、乙樽、其の子亀十、千代松

解説

大里城主玉城按司の妻は絶世の美人であった。島尻城主の八重瀬の按司は、玉村按司の妻に横恋慕、遂に玉村按司を亡き者にしてその妻を手に入れるために、軍勢を繰り出して大里城へ攻め込んだ。不意討ちに合った玉村按司は遂に夫婦共切腹で相果てた。妻を手に入れるために軍を進めた八重瀬の按司は、ガックリする。

玉村の嫡子若按司は、難をのがれて平安名大主と共に勝連の島に身を隠して居た。
八重瀬の按司は、玉村の按司が何時かは父の仇を討ちに来るものとして、不安な毎日を送っていたが、若按司が勝連の平安名大主の下にかくまっていると聞いて早速与那原の浜に大軍を集め舟で勝連を攻めるため準備を進めていた。

その事を聞いた玉村の臣下里川の嫡子亀十が平安名大主に知らせたが、即座に八重瀬の軍を向え討つことは不可能であるので、亀十を縛り若按司と偽り、吉田の子が八重瀬の城につき出したのである。
八重瀬は若按司と信じ、亀十を牢につなぎ安心して毎日毎晩酒と女に興じるのである。

一方玉村の臣下波平大主は、仇を討つために島々を廻り、兵を集めている中に、平安名大主と吉田の子の二人が反旗を翻えして若按司を敵に渡したとのことを人伝てに聞いて怒り、早速勝連の平安名大主に合い問いただしたところ、やっと真実を知り若按司を先頭に平安名大主と共に八重瀬を討ち亡ぼし見事亀十を救出した。

この組踊の中に儀間の子と名乗る間の者が出るが、その儀間の子のシナリオは明治四十二年、西江前くの岸本千代吉翁が書いたもので西江前独特の儀間の子である。最初に演じたのが儀間清蔵翁であったために儀間の子となった。

※一部組踊り全集より転記

(西江前、川平両区保存)

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