公開日 2014年12月16日
平成13年度建立
見ればサンサ 吉野が見ゆる
ハイユイユイユ 吉野が見ゆるい
は山茂山嵐につづく花のゆちゆさ
袖うち払い かさちにかゆい
ウーミーヌミヤガサーイ
歌意
見れば吉野が見える。は山、茂山、嵐に続いて花吹雪がよく散るものだ。吉野に花見に行った時の歌である。
見れば (三下調子) 〈伝承地:西江上・西江前・川平・西崎〉
〔系統:会所踊い系<ヤマト。 踊の構成等:2人。二才踊い衣装。小道具:陣笠を持って踊る〕
見ればサンサ吉野が見ゆる
ハイユイユイユ吉野が見ゆるい
端山茂山嵐につづく花のゆちゆさ
袖打ち払い笠杖に通い
ウーミーヌミヤガサーイ
大意
見ればサンサ 吉野が見える。いよいよ吉野が見える。
端山、茂山、嵐につづいて、花吹雪がよく散るものだ。
袖の花吹雪を打ち払い、笠と杖で通い、
ウーミーヌミヤガサーイ(御身の宮笠か? お蓑の蓑笠か? 不詳)
語意
見れば=見たら。吉野=桜の名所で奈良県の南部の地名。端山=連山のはしの方にある山。麓の山。
茂山・繁山=草や木の枝葉などが伸び重なっている山。端山繁山は畳語。嵐=荒く激しく吹く風。もとは山間に吹く風。(『広辞苑』) 嵐山?=嵐山であれば、桜・紅葉の名所。京都市西部にある山。
解説
吉野に花見に行ったときの歌であることは間違いないと思う。端山茂山、そして嵐はその道中の情景の描写か? 嵐が嵐山とすれば、京都から奈良に向う道すがらであろう。花吹雪がよく散る道中である。
「おみの」はお蓑である。「みやがさ」は「みのかさ」の転かと思われる。蓑をきて笠をかぶること。あるいはさし傘の異称か。宮傘のことか。(『村史』)。宿題である。端山参照。
見直す
見れば('85工工四)→見りば('98工工四)→見れば に、端山('85)→葉山('98)→端山 に戻す。
類歌
鹿児嶌時行節
- 吉野山路尋テ行ハ顔ニ桜ノ散掛ル
・同じ歌詞で「伊良部節」「ナンダイ節」などがある。
- 爰ハシゲト三越レバ吉野吉野越レバ鹿児ノ嶌
〔川平朝彬編著『琉歌古典歌詞集』〕
盆踊〔花見踊〕
- これから東吉野の山を眺むれば (返し)桜の花は盛りと見ゆる
ヤいざよ若い衆たち 皆打ち揃う て見物しょ ヤ見物しょ
〔『日本民謡大事典』〕
別解 (大城民俗芸能保存会長の指摘) 「端山」 ?頁も含めて検討する。
見ればサンサ吉野が見ゆる ※吉野=奈良の桜の名所
ハイユイユイユ吉野が見ゆるい
端山杉山嵐につづく 花のゆちゆさ ※杉山=すぃずぃやま
袖打ち払い 笠置に通い ※笠置かさぎ=京都府最南端の笠置町
ウーミーヌミヤガサーイ
(御身の宮笠サーイ?、お蓑の蓑笠サーイ?、不詳)
※( )内の不詳語は、知善先生への久保けんお氏の助言である。
地図
所在地
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