公開日 2015年02月17日
端山 (三下調子) 〈伝承地:東江上・東江前〉
〔系統:会所踊い系<ヤマト。 踊の構成等:2人。二才踊い衣装。 小道具:扇 〕
端山 茂山 嵐に続つづく
花のゆちゆさ
袖打ち払い笠杖に通い
吉野ゆうの花笠い
大意
端山、茂山、嵐につづいて花吹雪がよく散るものだ。
袖に降りかかる花吹雪を打ち払い、笠と杖で通う吉野の花笠よ。
語意
端山=連山のはしの方にある山。また、ふもとにある低い山。 茂山・繁山=草木の茂った山。 端山・茂山は畳語。 嵐=荒く激しく吹く風。もとは山間に吹く風をいうことが多い(広辞苑)。嵐山か? ゆちゆさ=雪よ。 ゆちゆさ=よく散るものだ、ともとれる。 笠杖に通い=笠と杖で通い。吉野ゆうの=ユシヌウーウヌ と吉野をながめに歌った声では?。 花笠い=花笠よ。
解説
この歌は、吉野に花見にいったときの様子を歌ったものだろう。その吉野が、鹿児島の吉野か、京都の吉野か、奈良の吉野か、意見の分かれるところである。嵐を嵐山とみれば京都かと思うし、嵐を激しく風とすればどこでも見られるから三者とも捨てがたい。客観的な証拠を探るのはむつかしいが、大方の意見を集約すると、古くから桜の名所で知られる大和(奈良県)の桜と思う。
見直す
端山→葉山→端山 演目の名称を葉山から端山に戻す。
類歌
- 吉野やまみちたそねて行は かをに桜かきりかゝる
(吉野山道尋ねて行けば 顔に桜が散りかかる) (行間朱書) 〔疱瘡歌・和歌/口節・古名歌集文 『南島歌謡大成・沖縄篇下』所収〕 - 吉野山を(は)行きよ(か)とみれば/雪はあらねど 花のふぶき 〔本田安次著『日本の民俗藝能・離島・雑纂』〕
- 此處は重富越ゆれば吉野/吉野越ゆれば鹿児の島 〔鹿児島県立川内中学校編『西薩摩の民謡』)
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