公開日 2015年02月17日
小学節 (三下調子) 〈伝承地:東江上〉
〔系統:会所踊い系<沖縄本島。 踊の構成等:2人。二才踊い衣装。小道具:無手で踊る〕
一 小学から読で大学中庸
孟子論語も四書まで読でぃ
エンヤーラヤンザー
サヱーンヱンヤ
ハーリバクヌシー
二 気張って墨読で六芸習いて
首里に奉公でぃ我んさだら
エンヤーラヤンザー
サヱーンヱンヤ
ハーリバクヌシー
大意
小学から読み始め、大学、中庸、孟子、そして論語、四書まで読んで、頑張って勉強して六芸を習い、首里奉公を誰よりも先に行きたいものだ。
語意
小学=中国、宋代に作られた幼童用の入門書。大学=中国、儒教の経典の一つ。 中庸=中国の哲学書。孟子=前372~前289.中国、戦国時代の思想家。そこでは彼が残した著述。 論語=中国、春秋時代の思想家孔子とその弟子たちの言行録。 四書=礼記の中の大学・中庸の二編と、論語・孟子の総称。五経とともに儒学の枢要の書。 五経=易・書・詩・礼(らい)・春秋の五経。 ちばて墨読で=頑張って学問をして。 六芸=周代に士以上が学ぶべき科目と定められた六種の技芸。すなはち礼・楽・射・御・書・数。(『広辞苑』)
解説
会所時代の読み書きの学問の順序を歌ったものであり、廃藩置県によって義務教育が実施されたので会所が廃止になった。
記録に残すようになってから「奨学節」(1985.9)と言うようになったという。それまでは「小学節」(1982) であった。島の村踊りは、歌い出しをとって節や踊の名称にするのが慣習的であり、多いことから、小学節に戻した。
見直す
小学節→奨学節 → 小学節に戻す。
ちばて→気張って。 名代(にゃでい)→奉公(にゃでい)に、みやだいり→めでい→奉公に直す。
類歌
- 小学から読で大学中庸論語孟子に五経まで読で〔琉全1179たのむぞ節〕
たのむぞ節
- 小学から読で 大学 中庸 論語/孟子に 五経まで読で
ちばてすみ読で 六芸習ひて/首里がめでいで わねさだら 〔野村流古典音楽保存会 『琉球芸能事典』所収〕
タノムゾ節
- 小学から読で 大学 中庸/論語 孟子に五経まで読で
ちばてすみ読で 六芸習ひて/首里がみやだいり でわねさだら 〔野村流音楽協会 『琉球芸能事典』所収〕
タノムゾ節
- 小学から読で 大学 中庸/論語 孟子に五経迄読で
気張てすみ読で 六芸習ひて/首里が奉公 で我ねさだら 〔琉球古典音楽安冨祖流 『琉球芸能事典』所収〕
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