東前ん渠(あがりめんだかり)

公開日 2015年02月17日

東前ん渠   (本調子) 〈伝承地:東江前〉

〔系統:会所踊い系<沖縄本島。踊の構成等:2人。二才踊い衣装。小道具:扇〕

一 東前ん渠伽羅の匂たてて

 ちゅだち若者のなだる美らさ

二 今日の誇らしゃやなをにぎゃなたてる

 蕾でをる花の露きゃたごと

東前ん渠

大意

一 東江前の集落に伽羅の香りを漂わせ、選りすぐられた若者達の並んだ姿が実に美しい。

二 今日の嬉しさは何にたとえようか。まるで蕾みが露に出会ったようだ。

語意

(1)東前ん渠・あがりめんだかり=東江前の集落。 伽羅・ちゃら=多伽羅の略。ジンチョウゲ科の常緑 高木。インド原産。古来、香木として有名。茎から出る樹脂を火にいれると芳香出る。沈香。 ちゅだち若者=選りすぐられた青年たち。選抜された青年たち。  ちゅだち=一抱えの(中原)。大勢の。 なだる=並んだ。勢揃いした。

(2)今日のふくらしゃや=きょうの喜びは。 なほにぎゃなたてる=何に譬えようか。 つぼでおる花の=蕾み。 つゆきゃたごと=露に出会ったようだ。

解説

「あがりめんだかり」は東江前集落の意。沈香、伽羅香は共に南洋産の香ばしい線香のことで、琉球が南洋貿易によって持ち帰った名香で、多くの貴人の御座敷で焚かれたものである。「じんやきやらとぼす御座敷に出て踊るわがそでの匂いのしゆらしや」という歌詞がある。「ちゆだち若者」はすらりとした体格のよい青年の群。「なだるちゆらさ」は並んで居る美しさという意味で、並美らさともいわれている。 〔伊江村史259頁〕

類歌

  • 沈や伽羅とぼすお座敷に出ぢて踊るわが袖の匂ひのしほらしや 〔大成2686・琉全766沈仁屋久節〕

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