稲穂(いにぶ)

公開日 2015年02月17日

稲穂  (三下調子) 〈伝承地:東江前 阿良〉

〔系統:会所踊い系<沖縄本島。 踊の構成等:2人。二才踊い衣装。小道具:無手で踊る〕

一 稲穂咲き出ればちりひぢもつかぬ

 しらちやねやなびちあぶしまくら

 ヱンヤラヤンザ サヱンヱンヤ ハリバクヌシ

二 北風の吹けば真南あぶしまくら

 真南風の吹けば北あぶしまくら

 (囃子は一番と同じ)

稲穂

大意

一 稲の穂が咲き出れば塵や泥もつかない。米の白い種はなびいて、田の畔を枕にしているようだ。

二 北風が吹けば南の畔に、南風が吹けば北の畔を枕になびている。

語意

ちりひぢ=塵や泥。 しらちやね=白い種。米稲(白種の意)。 あぶし=田のあぜ。

解説

稲の豊作を歌った感謝儀礼と豊作祈願の歌である。水に乏しい島で、なぜ、稲作の歌があるのか不思議である。稲作がない故に、稲作に対する

見直し

北風を北風に戻す。 ちた→にし に戻す。(1985.工工四にし、1997.工工四ちた→今回にし)

類歌

  • 穂花咲き出ればちりひぢもつかぬ白ちやねやなびきあぶしまくら 〔琉全149 作田節〕

コラム

〔評釈〕稲の穂花が咲き出ると、塵や泥もつかないで、白実を包んでいる穂はなびいてあぜを枕とし、美しい豊作の光景である。作者赤犬子は読谷山間切楚辺の人で、楚辺ではいまでも赤犬子の祭と行事が毎年九月二十日にあり、また赤犬子原という地名もあるという。しかし真境名安興氏によれば、赤犬子は津堅島の産で、三味線をもって放浪した人であるという。津堅赤ぶしやという人がいたということと思い合わされる。いまから四百年前の人である。 (琉歌全集)

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