公開日 2015年02月17日
国頭さばくい (三下調子) 〈伝承地:東江前〉
〔系統:会所踊い系<沖縄本島。 踊の構成等:4人。 建築資材の切り出しの仕草が踊りに現われている。 芭蕉布の着物に帯はワラ縄、腰には煙草入れをぶら下げ素足で踊る。木製の煙草入れ(プゾー)。〕
一 サー国頭さばくい (地謡)
ヨンシーヨンシー (踊り手)
サー二才たんいもちゃみ (地謡)
ハイルレーハーラーラー
サーイショショショーショー
サーアリガリーリー (踊り手)
サーイヒヒヒーヒ (地謡)
サーアハハハーハー (踊り手)
二 サー 長尾山樫木や(以下囃子は一番と同じ)
サ 鰻の真肌
三 サー 御材木ひちゆんで
サ 夜昼山入り
国頭さばくい (三下調子)
あの木よこの木よ
北の御殿の御材木ぎ
木輓車に載せて引かんかな
(踊り手)スリヤーハリ (地謡)クーヌーハイルレー
(踊り手)スリヤーハリ (地謡)クーヌーハイルレー
大意
一 国頭さばくい(が言うには)、二才たちも御出でなさったか。
二 なご山の樫の木は、うなぎの真肌のようである。
三 御材木を山から搬出するために、夜昼山に泊りきりだ。
○ あの木がよいか、この木がよいか、北の御殿の建築用の御材木であるから、よく吟味して、木挽き車に乗せて引こうではないか。
語意
国頭さばくい=役人。人夫の管理人。 二才たん=若者たちも。青年たちも。 いもちゃみ=おいでになったか。来たか。 長尾山=国頭村の与那覇岳中腹の山の名称。
北の御殿=首里城の北殿。
解説
沖縄民謡「国頭捌庫理」の歌は、沖縄全島いたる所で歌われ、首里王府への建築資材の間切り送りの仕草が舞踊に現れている。当区で踊る「国頭捌庫理」は四人で踊り特に衣裳は面白い。歌詞中の長尾山は国頭村の与那覇岳の中腹にある山である。同村、奥間にある歌碑には長尾山と刻銘されている。
見直し
なご山→長尾山 前肌→真肌(伊波普猷) のせて→載せて に改める。
類歌
はいよやえ節 (二揚調)(木遣節ともいう。俗に国頭捌庫理ともいう。)
一、首里天ぎやなしの ヨイシイヨイシイ /サ御材木だやびる ハイユエーハーラーラ
(囃子)サーハリガヨイシイ サーイショウショショウショ
サーハリガリーリ イーイヒヒヒーヒ /アーアハハハーハ(ハヤシ以下略)
二、国頭さばくり ヨイシイヨイシイ /サ二才たもいもちやめ ハイユエーハーラーラ
三、御真人まじりや ヨイシイヨイシ /サ皆肝するとて ハイユエーハーラーラ
四、名護山樫木や ヨイシイヨイシ /サうなぎのまえはだ ハイユエーハーラーラ
五、世果報の続きや ヨイシイヨイシ /サ蚊帳御代さめ ハイユエーハーラーラ 〔野村琉古典音楽保存会工工四・琉球芸能事典所収177頁〕