くるく節(くるくぶし)

公開日 2015年02月17日

くるく節    (本調子) 〈伝承地:西江上〉

〔系統:会所踊い系<沖縄本島。 踊の構成等:2人。 二才踊い衣装。小道具:無手で踊る〕

くるく思い羽ぬ いなくるく

鳥や歌てぃも いなすぃにゅん

明けて雲の 情きあてぃくぃりよ

サーいなくるく

くるく節

大意

くるくよ、思い羽の二人の仲だもの、早くきてくれ、ね、くるく。鳥が歌っても良いではないか。東の空が明け雲に染まっても、情をかけてくれ。ね、くるくよ。

語意

くるく=男性の人名。 思い羽=おしどりの尾の両側にある羽。 いな=早い。もはや。そんなに早く。(『沖縄古語辞典』)。 すぃにゅん=済む。それで済む。それでよろしい。(『伊江島方言辞典』)。

解説

短い文のなかに、思い羽ぬ…、鳥は歌てぃも…、明けて雲の…と歌ごころの表現を連ねて、精一杯愛情を求める女性の姿がみえる。くるくで始まりくるくで終る思い羽の情熱に圧倒される歌である。

見直し

むいばぬ→思い羽ぬ。 鳥やうたてぃん→鳥や歌てぃん。 あきてくむぬ→明けて雲の。

類歌

  • くるく思ひのくるく、一里の長の浜の、砂と砂と、譬ひ思ゆんくるく
    またも思ひのくるく、二巡り有る帯、三巡り四巡り、巻くほど思ゆんくるく
    〔琉歌新釈421( 評釈)〕
  • 鶴におしどりの思羽つけて朝夕つつまれてくらしぼしやの
    〔琉歌全集2042 相聞歌〕
  • 天川の池に遊ぶをしどりの 思ひ羽の契りよそや知らぬ
    〔本部朝救 琉歌新釈 164〕

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