四季口説(しきくどぅち) 西踊い

公開日 2015年02月18日

四季口説 (本調子)〈伝承地:西江上・西江前・川平・西崎〉 

〔系統:会所踊い系<ヤマト。 踊の構成等:2人。二才踊い衣装。扇で踊る。〕

一 さても目出度や新玉の

 春は心も若がえて

 四方の山辺の花盛り

 囃子 長閑なる代の 春を告げ来る

 谷の鴬          *深山うぐいす

二 夏は岩間を伝え来て

 滝つふもとに立ち寄れば

 暑さ忘れて面白や

 囃子 風も涼しく 袖に通いて

  夏もよそなる 山の下風  *山の下かげ

三 秋は尾花が打ち招く

 園のまがきに咲く菊の

 花の色々珍らしや

 囃子 錦さらさと 思うばかりに

秋の野原は 千草色めく

四 冬は霰の音添えて

 軒端の梅の初花は        *初花の

 色香も深く見てあかぬ      *愛めであかん

 囃子 花か雪かと いかで見わけん

  雪の降る枝に 咲くやこの花

* 印のは、野村流合同研究会の表記である。

四季口説-西踊い

大意

省略。

語意

谷の鶯(伊江島 )→ 深山うぐいす(『野村流合同研究会』)。  山の下風(同 ) → 山の下かげ(同)。

初花は(同)→ 初花の(同)。 見てあかぬ(同)→ 愛であかん(同)。

解説

沖縄県下で歌い踊られている歌謡である。ただし、野村流合同研究会の歌詞集とは、上のような異るところがある。

コラム ウチナーンチュの季節感

  • 蝉の羽衣にふりかあえて今日や 心すだすだとなるがうれしや
  • 若夏がなれば心うかされて でかやうまはだを引きやり遊ば
  • 夏の走川に涼し風立ちゆす もしか水上や秋やあらね
  • 夏もはりすぎて秋になてをすが 手に馴れし扇や放しぐれしや (外間守善著『南島の抒情』より

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