あかきな節(あかきなぶし)

公開日 2015年02月18日

あかきな節(本調子)〈伝承地:西江上・西江前・川平・西崎〉

〔系統:会所踊い系<奄美。 踊の構成等:4人。白のドヂン、白のシャツで緑・紫・水色といった衣装を身に付け(字によって違う)白・赤・緑・水色などの縦縞の脚絆を着用(字によって違う)。頭には、シュロ毛で作ったカンピを被り、先には竹のかんざし、シュロで作った眼鏡、ヒゲをつける。

一 でぃちゃよ思い童 押し連れて互に (地謡)

 イスリサースリ チャスリサースリ (踊手)

 若菜摘で遊ば 花むやい遊ば (地謡)

 イスリサース リチャスリサースリ (踊手)

 花むやい遊ば (地謡)

 イスリサースリ チャスリサースリ (踊手)

 (以下 切り返しと囃子は一番と同じ)

二 年や立ちかわて 春の野に出て

 風に袖とばち 遊ぶよう嬉しや

三 あかきなの鳥や ゆうてばゆうたる

 押し連れて互に 踊てよ戻ら

      (※最後は切り返しを二回歌う)

あかきな節01

   * 川平では、次の歌詞で歌われている。                          

一 年や立ちかわて春の野に出て

 囃 イスリサースリ チャスリサースリ

 若菜摘で遊ば 花むやい遊ば

 囃 同じ  花むやい遊ば

二 心うちやがゆる春の野に出て

 囃 同じ

 風に袖とばち遊ぶようりしや

 囃 同じ  遊ぶようりしや

三 花もながみたいでちやよ立ち戻ら

 囃 同じ

 押し連れて互に踊てよ戻ら

 囃 同じ   踊てよ戻ら

あかきな節02

大意

一 さあ、 乙女たち一緒に連れだって、若菜を摘んで遊びましょう。

 花を摘んで遊びましょう。花を摘んで遊びましょう。

二 年は明けて、春の野に出て、風に袖を翻して、

 遊ぶのが嬉しい。 遊ぶのが嬉しい。

三 あかきなの鳥も歌っていることだし、連れ立ってお互いに踊って帰りましょう。

 踊って帰りましょう。

語意

うみわらび=娘。乙女。お嬢さん。 若菜=初春に摘む菜。セリ、ナズナ、ワラビなど十二種類あり、後に春の七草になる。(外間守善著『南島の抒情』より)。 あかきなの鳥=赤木名の鶏。あかつきに鳴く鳥ではないか、とする説もある。 ゆうてばゆうたる=よく鳴く鳥。 心うちゃがゆる=こころがはずむ。

解説

奄美大島の笠利町に赤木名という集落があり、琉歌集にも赤木名節がある。赤木名は、あかきな節と関係があると言われているが、西江前区の調査団が笠利町まででかけ調査をしたが、奄美では見つからなかった。国頭村楚洲の臼太鼓や北中城村で踊られている。

類歌

島袋の赤木名節

  • 赤木名ヨー 鳥小が/囃子てばヨ 歌てど/囃子てばヨ 歌てど/イソレ サーソレ/イソレ サー  ソレ〔『北中城村史』第二巻 民俗編〕
  • 赤木名鳥小が早たいは歌てど夜ふけに歌てどわ無蔵や戻る 〔大成5〕
  • 年や立ちかへて 春の空晴れて 押風も立たぬ 波の声もないらぬ でかやう思童 おしつれて互に花もやり遊ば 若葉つで遊ば
    〔琉全2698長歌〕

ちんちくらけー (沖縄本島・国頭村楚洲)

  • 赤木名(地名)の鳥よ/なうてば ようたてる(未詳)/まうてば ようたてる(未詳)〈訳文より〉
    〔『日本民謡大観』(沖縄・奄美)沖縄諸島篇 日本放送協会〕

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